結婚式で感動する上司のスピーチの作り方・例文

部下の結婚式で上司としてのスピーチは絶対に失敗できませんよね。上司としての威厳や、今後の部下との関係性にも営業を及ぼすかもしれません。
「感動する上司の結婚式スピーチ」を作るときの重要なポイントを、流れに沿って詳しく整理してみますね。
スピーチの流れ
① 冒頭(礼と導入)
- 参列者・新郎新婦・両家への感謝を述べる。
→「このような晴れの日にお招きいただき…」「心よりお祝い申し上げます」など。 - 立場を明確にする。
→「新郎○○さんの上司として…」とシンプルに。
※長くせず、温かく入り込むと聞き手が安心します。
② 新郎(新婦)の職場での人柄エピソード
- 感動の核となる部分。
- 具体的な出来事を入れるのが効果的。
例:- 「後輩の相談に夜遅くまで付き合ってくれた」
- 「困っている人を自然に助ける姿が印象的だった」
- 「真面目さだけでなく、人の心に寄り添う優しさがある」
- 職場の仲間にしか分からない良さを紹介することで、会場の人々に「へえ、そんな人なんだ」と感動を広げられます。
③ 新郎または新婦への言葉
- 新郎(新婦)の良い点を伝えたあとで、新婦(新郎)にお願いや願いを込めると感動的に。
例:- 「不器用なところもありますが、その不器用さの裏には誠実さがあります」
- 「△△さんの笑顔で○○さんをさらに輝かせてください」
- 感謝や信頼の気持ちを込めると柔らかさが出ます。
④ 二人へのエール
- 人生には山も谷もあることを軽く触れる。
- ただし「必ず二人で乗り越えられる」という希望を添える。
例:- 「今日ここに集まった人たちが、お二人の味方です」
- 「支え合えば、どんな困難も喜びに変えられます」
⑤ はなむけの言葉/結びの祝福
- 短く力強くまとめる。
例:- 「お二人の未来が、愛と笑顔で満ち溢れますように」
- 「どうか末永くお幸せに」
- 感動の余韻を残すため、最後はゆっくり、静かに言い切る。
具体的で実践的なテクニック
1) 全体の骨組みと時間配分(目安:3〜5分)
- 0:00–0:30 挨拶・立場明示(短く丁寧に)。
- 0:30–2:00 職場での具体的エピソード(感動の核)。
- 2:00–3:00 新婦への言葉/二人への祝福。
- 3:00–3:30 結び(短く力強く)。
※時間は読む速さで変わるので、リハで必ず計測する。
2) 言葉選びと構成のテクニック(感動を作る“仕掛け”)
- 具体性を一つ入れる:抽象(「優しい」)→ 具体(「朝礼でいつも隣の後輩の弁当の具合を気にしていた」)。
- 三つ組(トリオ)を使う:例:「誠実さ、努力、そして人を思う心」— 聴き手の記憶に残りやすい。
- 対比を活用:「仕事では厳しいが、家では照れ屋で…」でギャップが温かさを生む。
- 直接呼びかけ:新婦へ向けて「△△さん」や「○○さん」と名前で語りかけると距離が縮まる。
- 短いフレーズをリズムよく:長い文は句切る。大事な一行は改行して単独で言う。
3) エピソードの磨き方(例:平凡→感動へ)
- 平凡な話:「○○さんはいつも手伝ってくれます。」(弱い)
- 強化手順:①いつ(日時)②誰に③何を④どう感じた を追加。
- 強化後の例:
「昨年、プロジェクトの締切前夜、会議室で疲れ果てていた後輩に、○○さんは自分の残業を申し出て、朝まで付き添ってくれました。その姿を見て私は『彼は数字だけではなく人を守る人だ』と確信しました。」 - ポイント:感情(自分の驚き・安心)を一言入れると聴衆と共感が生まれる。
4) 声・間(ま)・ペースの使い方
- 重要な一行はゆっくり、低めの声で。声が下がると誠実さが伝わる。
- 句の終わりに短い「間」を入れる(0.5〜1秒)。聴衆に噛み締めさせられる。
- 感情が高まる所はやや間を長めに(1〜2秒)置いてから結論を言う。
- ジョークはテンポ良く、次はすぐ安心させる一言を(笑いの後に場を保つ)。
- 練習時に録音して「泣けるか」を確認する(自分で泣けるくらいなら聞き手も響く)。
5) ボディランゲージとマイクの使い方
- 目線は会場を3〜4ブロックに分けてゆっくり回す(一点に固執しない)。
- 手は胸の前で軽く(開いた手のひらは誠実さを表す)。大きく振りすぎない。
- マイクは口から15〜20cm。感情的に声が小さくなったら少し近づける。
- 原稿は短めのカード(大きな文字)に箇条で持つと目線も戻しやすい。
6) ユーモアの入れ方(感動を壊さないコツ)
- 入れるなら1回だけ、短く。スピーチ全体のトーンを壊さないこと。
- 自分を少しネタにする(上司としての失敗談など)のが安全。
- 絶対に避ける:過度にプライベートな暴露、元配偶者ネタ、会社の内部批判。
例:「○○さんが『上司の私に怒られたくないので』と私の好きなコーヒーを買ってきたことが…(笑)。でもその優しさは本物です。」
7) タブー&注意点(必ず守る)
- 個人の恥をさらす話、過去の恋愛遍歴、金銭問題、社内ゴシップはNG。
- 長すぎる自慢話や業務説明は避ける(聴衆は仕事の細部を望んでいない)。
- 新婦側を軽視する言い方は絶対にしない。
- アドリブでふざけすぎない。酔っ払いスピーチに見えないよう注意。
8) リハーサルと原稿の最終チェック
- 最低3回は声に出して通してタイムを計る。理想は5回。
- 録音→聞き返しで「感動ポイント」が伝わるか確認。
- 原稿は2段階で作る:全文台本+当日用の箇条カード。箇条カードは大きめ文字で。
- 当日:会場入り後にマイク確認、音量と自分の声の聞こえ方をチェック。
9) 緊張対策(直前にできること)
- 深呼吸法:腹式で4秒吸って4秒止めて4秒吐くを3回。
- 足の重心を真ん中に置く(立ち位置を安定させる)。
- 水を一口、のどを潤す。
- 緊張したらスピーチを1文短くする(予定より短くする決断力が成功を呼ぶ)。
🎤 感動する上司の結婚式スピーチ 例文

①直属の上司の場合
皆さま、ただいまご紹介にあずかりました、新郎○○さんの上司の□□でございます。
本日は、お二人の晴れの日にこのような素晴らしい席へお招きいただき、心より感謝申し上げます。
新郎の○○さんとは、入社以来ずっと一緒に仕事をしてまいりました。
彼の第一印象は「真面目で寡黙」。けれど一緒に働くうちに、その内側にある「人を大切に思う心」に、私は何度も感動させられてきました。
ある時、部署全体が大きなトラブルに直面したことがありました。誰もが慌ただしく、気持ちが荒れていた中で、○○さんは後輩の肩をポンと叩き、
『大丈夫だ、みんなでやれば必ず乗り越えられる』
と、静かに声をかけたのです。
その一言で空気が和らぎ、皆が前を向くことができました。私はその姿に、「この人は人を支える力を持っている」と強く感じました。
仕事に対して誠実であることはもちろんですが、○○さんの本当の魅力は「仲間や周囲を思う優しさ」です。その優しさは、きっとこれからの人生においても、△△さんを包み込み、家庭を温かく照らしてくれることでしょう。
△△さん。
○○さんは真面目で、時に少し不器用なところもあります。ですが、その不器用さの裏側には、誰よりも人を大切にしようとする強い気持ちがあります。どうかその気持ちを受け止め、時には優しく背中を押してあげてください。そして、△△さんの明るい笑顔で、○○さんをさらに輝かせていただければと思います。
これからのお二人の人生には、楽しいこともあれば、きっと困難なことも訪れるでしょう。ですが、今日ここに集まったご家族、ご友人、そして私たち同僚が、いつもお二人を応援しています。どうか二人で手を取り合い、どんな時も支え合いながら、温かく幸せな家庭を築いてください。
最後になりますが、お二人の未来が愛と笑顔に満ち溢れ、今日の日のように多くの人に祝福される人生でありますことを、心からお祈り申し上げます。
○○さん、△△さん、本日は本当におめでとうございます。
②会社代表として主賓(来賓)の場合
皆さま、改めましてご紹介いただきました、株式会社□□の代表を務めております、△△と申します。
本日は、新郎○○さん、そして新婦△△さんのご結婚をお祝いするこの佳き日に、会社を代表してご挨拶の機会を賜りましたこと、大変光栄に存じます。
まずは、ご両家の皆さまに心よりお祝いを申し上げます。本日のお二人の晴れやかな姿を拝見し、ご両親様をはじめ、ご家族の皆さまがどれほどの愛情を注いでこられたかを思うと、胸が熱くなる思いでございます。
さて、新郎の○○さんは、入社以来、当社の業務に真摯に取り組み、誠実で責任感あふれる姿勢を一貫して示してまいりました。
難しい課題に直面しても決して諦めず、周囲の意見に耳を傾け、仲間と力を合わせて道を切り拓く。その姿勢は、社内の誰もが信頼を寄せるところでございます。
また、仕事における成果以上に、彼の人柄そのものが周囲に安心感を与えていることを、私は大いに誇らしく思っております。
本日、こうして素晴らしいご縁に恵まれ、△△さんという良き伴侶を得られたことは、○○さんにとって何よりの喜びでありましょう。
どうか△△さんには、○○さんの誠実さと努力家としての姿を温かく見守り、支えていただきたいと存じます。そして、お二人が互いに思いやり、励まし合いながら、温かく幸せなご家庭を築かれることを、心より願っております。
結婚生活は、喜びもあれば試練もあるかと存じます。しかし、お二人なら必ずや力を合わせて乗り越え、さらに絆を深めていかれることでしょう。そして、その歩みを支えるのは、今日ここにお集まりのご親族、ご友人、そして私ども職場の仲間でございます。どうぞ安心して、未来へと進んでいただきたいと存じます。
結びにあたり、重ねて心よりの祝福を申し上げます。
お二人のこれからの人生が、愛情と笑顔に満ち溢れ、末永く幸多きものとなりますことを祈念いたしまして、私のご挨拶とさせていただきます。
○○さん、△△さん、本日は誠におめでとうございます。