乾杯と献杯


結婚式やお祝いごとなどおめでたい席では、ほとんどの場合、乾杯をしますね。大きな声でご唱和したあと、全員でグラスを高く上げ、一口飲み拍手をするという流れ。それに対し、法事などの席では食事の前に「献杯(けんぱい)」を行います。初めて聞く言葉だという方もいらっしゃるかもしれませんが、献杯は故人を悼み、 敬い、供養する気持ちで杯を捧げる儀式ですから、乾杯とは全く異なります。昔から日本に伝わる神聖な儀式という感じですが、古くからあったものではなく、行うようになったのは近年になってからだそうです。「乾杯」と異なり、「献杯」と言ってグラスを低めに掲げるのが一般的。そして、この時も献杯する前に軽い挨拶が必要になります。

献杯は喪主が行うことが多いのですが、ごく近しい方に依頼することもありますので、頼まれたけど何を話せばいいのかわからないという方も多いでしょう。けれども、献杯の挨拶は手短に行うのが鉄則ですので長々と話すものではないのです。ですから、言うべきことだけ抑えておけば難しいことはありません。流れとしては自己紹介、参列者へのお礼、おくつろぎを促す言葉となり、例文は以下の通り。

【叔父の一周忌】

甥の●●でございます。本日はお忙しいところ、お集まりいただき誠にありがとうございます。皆さまと共に無事、叔父 ○○の一周忌法要を済ませられましたことに心より感謝しております。思い出話で故人を偲びながら、お時間の許す限り、ごゆっくりお過ごしください。 (少し間をあける)

それでは皆さま、ご唱和をお願いします。献杯!

時間にすれば1分ほどを目安にするとよいでしょう。列席者は食事を前にして待っている状態ですので、長々と話すのはNGです。依頼された時は決して断らず、快く引き受けましょう。